状態・打刻品質を表す表現

アンティークコインの価値は、単なる鑑定の数字だけでは決まりません。その真の美しさと希少性を表現するために使われる専門用語を理解することが、より深いコレクションへの第一歩です。
ここでは、アンティークコインの鑑定や記述において頻繁に用いられる、専門的な英語表現を解説し、具体的な使用例を示します。

状態・打刻品質 (Condition / Strike Quality)

コインが鋳造された際の品質や、その後の摩耗の度合いを表現する言葉です。

英語表現 和訳 解説 例文
Crisp 鮮明な、シャープな、くっきりとした コインの細部が非常に鮮明に打刻されており、摩耗がほとんどない状態を指します。 “The crisp details on the eagle’s feathers indicate a strong strike.” (鷲の羽の鮮明なディテールは、力強い打刻を示しています。)
Razor-sharp 非常に鋭利な、極めてシャープな 特に輪郭や文字の縁がナイフのように鋭く、完璧な打刻品質であることを強調します。 “This specimen boasts razor-sharp legends and devices, a testament to its pristine strike.” (この標本は、極めてシャープな銘文と図案を誇り、その手つかずの打刻の証です。)
Full Strike / Fully Struck 完全打刻の、完全に打刻された コインのデザイン全体が、鋳造時に完全に金型から転写されており、弱打部分がない状態を指します。 “A rare example with a full strike, showing every intricate detail as intended.” (意図されたあらゆる複雑なディテールを示す、完全打刻の稀な例です。)
Well-defined 明確な、はっきりとした デザインの輪郭や特徴がはっきりと識別できる状態。 “Despite some circulation, the portrait remains well-defined.” (多少の流通があったにもかかわらず、肖像は明確なままです。)
Bold Strike 力強い打刻 デザインが力強く、深く打刻されており、細部まで明瞭に表現されている状態。 “The coin features a bold strike, bringing out the intricate design elements.” (このコインは力強い打刻が特徴で、複雑なデザイン要素が際立っています。)
Well-Centered 芯ずれのない、中心に打刻された コインのデザインがブランク(素地)の中心に正確に打刻されており、偏りがない状態。 “A beautifully well-centered strike, perfectly framing the central motif.” (中央のモチーフを完璧に縁取る、美しく芯ずれのない打刻です。)
Strongly Struck 強く打刻された コインの細部が非常に力強く、明瞭に打刻されている状態。細部が際立つ。 “The reverse displays a strongly struck eagle, with every feather clearly delineated.” (裏面は強く打刻された鷲が描かれており、羽の一枚一枚が明確に描写されています。)
Sharpness of Detail 細部の鮮明さ コインのデザインにおける微細な要素がどれほど鮮明に表現されているか。 “The sharpness of detail on the hair strands is remarkable for this issue.” (髪の毛の細部の鮮明さは、この発行年としては注目に値します。)