アンティークコイン投資のデメリットと留意点

先の投稿ではアンティークコインのメリットや魅力について述べましたが、もちろん留意すべき点もあります。

(1)利息、配当がつかない
国債、FX、預金等で得られる利息、株式で得られる配当のようなものは一切ありません。ゴールドや絵画などの現物資産投資一般に言えることです。

(2)取引の手数料率が高め
コインショップ等では、コインを仕入れ、そこに店舗の維持費用や人経費、利益などを売上から得るためにその分を上乗せして価格に反映されます(パーセンテージはショップによる)。大手オークションで売買する場合でももちろん手数料がかかります(カタログの作成や会場費など運営費用などさまざまな経費がかかります)。国内外のオークショニアでは手数料率20%前後というところが多いです(BP:バイヤーズプレミアムと言います)。20%を大きいとみるかどうかは考えかた次第です。株やFXに比べれば高いですし、絵画などと比べれば安いです。本来アンティークコイン投資は10年単位での長い期間で行うもので、頻繁に売買するのではなく、長期の値上がり目標を2~10倍以上に置くことも多いと思います。長期で大きなゲインを目標とする意味では「20%×少ない取引回数」というのは必要経費としてそれほど大きな割合ではありません。なお、ヤフーオークション、メルカリ、PayPayフリマなどの個人間で取引できるサイトを利用する方法もあります。この場合は手数料率は5~10%程度です。

(3)現金化に時間がかかる(流動性が低い)
適正な市場価格で現金化するためにはその価格で買いたいという人を見つけなければなりません。一般には国内外のオークションを活用することになりますが、申し込んでから現金が手元にくるまで数か月は見込んでおかなければなりません。このあたりは不動産と似ているかもしれません。なお、どうしてもすぐ現金化したい場合には、少し割わ悪くなるかもしれませんが、大手のコインショップに持ち込めばほとんどの場合買い取ってもらえます。そのコインを買ったコインショップで売却する場合には多少優遇があるかもしれません。

(4)ある程度勉強が必要
インデックス投資や投資信託などの商品は知識があまりなくてもできるますが、コイン投資ではそのようなものがありません。したがって、どのような銘柄をいくらで購入するか、いつどれくらいの価値になれば売ればよいかは個別に判断する必要があります。株式の個別投資をするのに知識が必要なのと同様です。コインの銘柄は10万種とも20万種と言われますので、コインをすべて理解してから投資するというのでは、一生かかってもスタートできません。コインに関する勉強が苦ではなく、楽しんでできる方には向く投資と言えます。また必ずしも勉強しなくても、基礎知識されもっていれば、信用のできるディーラーからどのような銘柄にいくら投資すればよいのかアドバイスをもらえれば良いと思います。

(5)経費にはなりにくい
絵画などの美術品の場合、法人として購入してロビーや応接室に展示することで、調度品として減価償却が認められる場合がありますが、コインの場合は難しい場合が多いようです。個別事情によって変わってくると思いますので、税理士等にご確認ください。

このように、いくつか留意点がありますので、資産をさまざまな形態に分散して、そのなかでアンティークコインを何割もつのかを考えていく必要があります。

 

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