古代金貨のAV表記とカエサルの言葉

古代金貨のスラブに表記されているAVは金(ゴールド)を表します。これも銀のARと同じく、金のラテン語Aurumからきています。

元素記号ではそのまま1,2文字目をとってAuと記しますね。

ではなぜスラブ表記はAUではなく、AVなのでしょうか。これは欧州語のアルファベットuとvはほぼ同じような文字で、言語や時代によってはこれらはよく可換されるのです。たとえば英語のVを二つ合わせたWをdoube-U(ダブリュー)と読みます。フランス語ではそのままdouble vé(ドゥブル・ヴェ)=二つのVとなるわけです。

実は、古代ローマ時代や中世のヨーロッパでは、「u」と「v」が逆転した形で使用されていたのです。

例えば、”Veni, vidi, vici”(ヴェニー、ヴィディ、ヴィキ)というフレーズは、古代ローマの将軍・政治家であるカエサルが残した言葉ですが、現代の表記では「u」が使用されることが一般的です。

古代のコインについてもこのような、古い表記にしたがって表記され、それがアンティークコインの業界に定着したのでしょう。あるいは、AUは鑑定のグレードを示すAlmost Uncirculated(ほぼ未流通品クラス)で用いるため、混同をさせるため金の表記をAVとしているのかもしれません。

 

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